ターゲットリサーチやインタビューの種類や方法

このページでは、ものづくり(商品開発)におけるターゲットリサーチの方法や集めた情報の分類整理のコツをご紹介しています。

商品開発で、なぜターゲットリサーチをする必要なの?

ターゲット調査は、製品のターゲットとなる市場のニーズ、欲求、行動を特定するのに役立つため、製品開発において非常に重要なステップです。この情報は、製品の設計、価格設定、マーケティング、流通戦略などに活用されます。ターゲットリサーチを実施することで、企業はターゲットとなる消費者のモチベーション、ペインポイント(コストをかけてでも解決したい問題や悩み)、購買習慣などを深く理解することができます。

この理解によって、企業はターゲット市場のニーズに合わせた製品を開発することができ、成功の可能性が高まります。さらに、製品の開発とマーケティングに大きな資源を投入する前に、ターゲット調査を行うことで、市場の需要を検証することができます。全体として、ターゲットリサーチは、製品が市場に適合し、魅力的で、成功することを確実にするための重要なツールなのです。

ターゲットユーザー情報のリサーチ方法

ターゲットユーザーに関する情報を収集するために、定性的および定量的な調査方法を組み合わせてください。インタビュー、市場調査、フォーカスグループ、観察などです。

1. 市場調査をする

製品の市場需要、競合他社、顧客のニーズや嗜好に関するデータを分析することです。アンケート調査、フォーカスグループ、競合他社分析などを通じて行います。

2. ユーザーインタビューをする

ユーザーインタビューは、お客様の声や嗜好を収集するための一般的な方法です。製品の特徴、デザイン、価格、全体的な満足度などに関する質問を、オンラインまたは対面式で実施することができます。

ユーザインタビューの事前準備として、必要な情報を収集するための自由形式の質問リストを作成します。ユーザーの経験に関する一般的な質問と、調査対象の製品やサービスに対するユーザーの考えに関する具体的な質問の両方を含めるようにしてください。

インタビュー時は、参加者が自由に発言できるようにし、自分の考えや経験を自分の言葉で伝えるよう促してください。

インタビューが終了したら、録音した音声を文字に起こし、データを分析します。製品の設計や開発に役立つパターン、傾向、洞察を探します。

3. 観察する

お客様のニーズや行動をより深く理解するために、自然な環境の中でお客様を観察し、対話する方法です。この方法は、製品がどのように使用されるかについての貴重な洞察を提供し、設計プロセスに情報を提供することができます。

参加型観察

調査対象集団の日々の活動や出来事に担当者が積極的に参加し、参加者の文化や行動を観察し、メモを取る方法です。

写真やビデオによるエスノグラフィー

写真やビデオを使って、文化的な慣習や出来事を記録する方法です。

アーカイバル・リサーチ

政府文書、新聞、個人の日記など、既存の記録を調査し、研究対象の文化についての洞察を深める。

情報を整理しカテゴリーに分類する

集めた情報をカテゴリー別に分類します。商品開発に使うエンパシーマップのカテゴリーは、特定の商品やサービスに関連する顧客のニーズ、行動、経験を理解することに重点を置いています。

商品開発における主なカテゴリー。エンパシーマップへの落とし込み準備

ニーズ

その製品やサービスを使うことで、お客様が満たそうとしている根本的なニーズや願望は何か?

ペインポイント

現在の製品やサービスに対して、お客様が直面している問題や困難は何か?

目標

お客様が製品やサービスに対して抱いているモチベーションや願望は何か?

行動

製品・サービスに対して、お客様が取っている、あるいは取ろうと考えている行動は何か?

タッチポイント

購入前の調査、購入、購入後の使用など、お客様が製品やサービスに対して行う具体的なインタラクションや体験はどのようなものか?

期待度

お客様が製品やサービスに対して、機能、性能、全体的な経験などの面で何を期待しているか?

不満な点

現在の製品・サービスのどのような点が、お客様の不満になっているか?

フィードバック

製品やサービスに対して、お客様がどのようなフィードバックや提案をしているのか?

情報整理でカテゴリー分類をする際に気をつけること

ユーザー調査の分析段階で情報をカテゴリーに整理する際には、注意が必要です。データの分類は、パターンや傾向を特定するのに役立ちますが、正しく行わないとバイアスがかかり、結果が歪んでしまう可能性もあります。ここでは、ユーザー調査のデータを分類する際に覚えておきたいヒントをいくつか紹介します。

先入観にとらわれないようにする

自分の思い込みや予備知識に基づいてカテゴリーを作りたくなるかもしれませんが、そうするとデータから得られる洞察が制限される可能性があるので気をつけましょう。

反復的なプロセスを使用する

データの分類は、多くの場合、データの分類と再分類を何度も繰り返す反復プロセスが大切です。データで観察されたパターンに基づいて、柔軟に分類修正を行ってください。

文脈を考慮する

データを分類する際には、調査が実施された背景を考慮することが重要です。例えば、文化的、歴史的、政治的な要素などは、アンケートの質問に対する人々の反応に影響を与える可能性があります。

他の人からフィードバックを得る

分類を確定する前に、同僚、他の研究者、または参加者自身から意見を得ることを検討しましょう。これにより、カテゴリがデータを代表しているか、求めている洞察を正確に捉えているかを確認することができます。

情報の整理ができたら、いよいよエンパシーマップに落とし込み

この記事を書いた人

やまさん

大手某メーカーにてWEBデザイナー、プログラマー、ディレクション件プロデューサーを経て株式会社LONTに21年12月入社。オリジナル製品を製造販売した経験を活かし、ものづくりのサポーターとして主にバックオフィス全般を担当しています。